
新物質創成の鍵はメゾスケールにおける物性の解明にあるといえる。ナノスケールの系を観測し、デザインすることが可能となった今日、実験・実用研究の要求に応える新しい数理モデルが求められている.
本研究では、局所的な構造が大域を制御する仕組みを離散幾何解析学の知見で解明し、材料科学に寄与することを狙う。すなわち、原子核や電子の配置を幾何学的対象とすることで、ミクロスコピックな構造がメゾスコピックな現象を、メゾスコピックな構造がマクロスコピックな現象を統制する仕組みを離散幾何的構造の反映として統一的に理解することを目指す。具体的には,4つの研究項目を設定し、それを数学者・計算科学者・実験科学者が協働で解決する.
その過程で、計算物理学や統計力学による従来研究に新しい観点と方法を提示し、ミクロ-メゾ-マクロの階層のより深い理解を目指すと同時に、従来の方法論にとらわれない新しい数理モデルの構築、その数理解析およびシミュレーションによる物性予測、化学工学における新物質創成までを貫く新しい指導原理を確立したい。
数理モデルの提案から新材料の創生、そして実験現場からのフィードバックによるモデルの改良といったサイクル全体に数学グループが有機的に関わることで, 離散幾何解析学の理論的深化と境界領域とのさらなる融合を期待する.
